女性不妊検査
一般不妊治療は、不妊の原因を調べることから始まります。痛みや不快感を最小限に抑えられるよう、経験豊富な医師やスタッフがしっかりと配慮いたしますが、不安に感じることや心配ごとがございましたらお気軽にご相談ください。
検査スケジュール
月経周期によって子宮の状態や卵巣、ホルモンの数値などが変化するので、周期に合わせて検査を行います。
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- 検査名をクリックすると各説明へリンクします。
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- 初診時
検査内容およびそのスケジュールについて、わかりやすく丁寧にご説明いたします。また、不妊治療の説明会「妊娠準備学級」についてご案内いたします。
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- 費用は保険診療(自己負担3割)の目安です。
検査の内容
患者様の体をさまざまな角度から調べ、治療へと役立てます。検査内容にご不明点や不安なことがあれば、いつでも医師や看護師にご相談ください。
内診
子宮と卵巣の大きさ、子宮の可動性、圧痛の有無などを調べます。
子宮がん検診
1年以内に受けていない場合に行います。
クラミジア検査
STD(性行為感染症)の一種であるクラミジアは、はっきりとした症状があまりなく、本人が気付かないうちに感染していることが多くあります。クラミジアによる炎症が腹腔内に及ぶと、不妊症の原因となります。検査には、子宮頚管から細胞を採取する方法と、採血で抗体を検査する方法があります。
経膣超音波検査
超音波プローブを膣の中に挿入して、子宮内膜や卵胞の大きさなどを計測します。痛みは全くありません。排卵期には、卵胞の直径が18~20mmに到達し、子宮内膜が8mm以上の厚さになります。排卵後は、卵胞が黄体に変化した像を確認できます。
甲状腺機能検査
甲状腺機能異常は、流産などさまざまな妊娠の異常を引き起こすことがあります。また、子宮卵管造影検査で使用するヨード含有の造影剤が甲状腺機能に影響を及ぼす可能性があるので、事前に検査する必要があります。
ホルモン測定
月経周期の3~5日目に採血し、LH(黄体化ホルモン)、FSH(卵胞刺激ホルモン)、E2(卵胞ホルモン)、PRL(催乳ホルモン)の分泌量を検査します。これらのホルモンの値から、卵巣機能をある程度推定することができます。さらに、基礎体温が高温相になったときには、E2(卵胞ホルモン)とP4(黄体ホルモン)の検査を行い、排卵の有無や黄体機能不全について診断します。
- AMH(アンチミュラー管ホルモン)
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AMHは、卵巣に残っている前胞状卵胞から分泌されるホルモンで、卵巣の予備能を推定することができます。自費診療となります。
子宮卵管造影検査(HSG)
子宮卵管造影検査は、不妊症における基本検査の一つです。卵管の通過性や子宮内腔の形態などを調べます。検査を行う時期は、月経の第10日目以内で出血がほとんど無いときです。
検査では、子宮内に細いチューブを挿入した状態のまま、レントゲン透視下で造影剤を使用します。造影剤は油性と水溶性があり、それぞれのメリット、デメリットを患者様にご説明したうえで、どちらを使用するか決定いたします。
検査当日の注意事項
- 当日は、昼食を食べずにご来院ください。
- なるべくスカートを着用してご来院ください。
内診台の上で造影用のチューブを子宮内に挿入した状態のまま、レントゲン室に移動していただきます。 - 検査後の車、バイク、自転車などの運転は危険です。お控えください。
- 検査後に薬を処方しますので、指示通りに内服してください。
副作用
- 腹腔内の感染を誘発することがあります。
検査の翌日以降に38度以上の発熱または激しい腹痛などがあった場合は、すぐにご連絡ください。 - ごくまれに造影剤の副作用が起こります(腹痛、胸痛、油性造影剤の残余、ショックなど)。
子宮鏡検査(HFS)
子宮内の様子をファイバースコープで診察します。子宮内膜ポリープ、子宮筋腫など、着床の妨げになる病気がないかを検査します。検査後に妊娠する確率が上がるとの報告があります。
尿中LH測定
排卵時期の尿から計測したLHの数値に従ってLHサージを予測し、排卵時期を調べます。
頚管粘液検査
排卵時期には、子宮頚管から透明な粘液が多く分泌されます。これを採取して量や性状から排卵が近いかどうかを判断します。また、乾燥させると羊歯状の結晶を見ることができます。
フーナーテスト(性交後試験)
排卵期で頚管粘液が増量している状態のときに夫婦生活を持っていただき、精子が子宮内に侵入しているかを確認します。